2004年6月Portland State University
PSUでは、学部以上、大学院以下というコースに入って、サマースクールの講義を受講しました。

コミュニティ・ディベロップメントという名前の講義、まちづくりにおける市民参加の意義や実例を学び、ポートランド商工会議所のヒアリングを行って、授業でプレゼンテーションを行いました。
もともと、ポートランドの中心部のにぎわい創出や交通について、市民団体がマネージメントをしていたところ、この団体と商工会議所とが合併したという経緯があり、同商工会議所は日本でもちょっと知られる存在でした。

2004年8月Lewis & Clark Law School
同ロースクールは、全米でも常に環境法の分野でトップ3にランクされている環境法で有名な学校です。
環境法に分類される科目だけですごい数あります。

私が受講したのは、
憲法、土地利用法、土地利用ゼミ、野生生物法、環境と貿易、これに景観訴訟についての自主研究(小論文)と、LLMゼミ、LLM論文、インターンシップ
です。

英語が下手なのは、中国人LLMと私のみ。日中共同戦線をはって、各課題を乗り越えました。

LLM論文のタイトルは、
Is the Oregon Trail the Way for Japanese Land Use to GO?
A Comparison of the Land Use Laws of Japan and Oregon
です。つまり、オレゴン州土地利用法と日本の都市計画法との比較で、著名なオレゴン州土地利用法が、日本の都市計画法の進むべき方向といえるかを論じています。
3回ほどの添削の後、帰国前にOKをもらい、さらにどこかに投稿するならば、といって、さらなる添削をしてもらっていました。
しかし、帰国後は、英語の修正をする気力は一機に失せ、英語論文の投稿は果たせぬ夢となってしまっています。

また、果たせぬ夢といえば、The Land We Share/Eric T. Freyfogleイリノイ大ロースクール教授の本に感動し、翻訳を志しました。
L&C環境法LLMの2年先輩にあたる高橋光彦(富山大)さんからも、共著でどうだい?とお誘いを受けましたが、日々の弁護士業務に追われ、果たせぬ夢となっています。

2005年アル・ゴア講演
不都合な真実で収録されていた講演を、映画の前に実際に生で体験することができました。

2005年Metro
ポートランド市を含む、都市圏の成長管理政策、交通政策を担う行政機関であるメトロの弁護士室でインターンをすることができました。
私がついて回らせてもらったリチャード・ベナー弁護士は、70年代から1000フレンズオレゴンで弁護士業をスタートし12年務めた後、オレゴン州、コロンビアゴージと行政機関を経由し、メトロの弁護士になって4年という人です。
まさに、草の根弁護士。生きたオレゴン州土地利用法という存在です。
私の興味を確実に把握してくれて、次々と面白い情報を提供してくれました。

市民参加で有名なオレゴン州土地利用政策ですので、いろいろな市民参加の会議に参加しました。
そのうちの1つオープンハウスでは、メトロカウンシル(選挙で選ばれた議員)らの議論運営(ファシリテーション)能力に舌を巻きました。さっそくその議員にこれまでのキャリアをインタビューしたところ、大学時代にノンプロフィットグループの運営を勉強し、ファシリテーションの授業があった、その後は長年草の根運動で身に付いたものだ、また高校の教師をやっていたことも影響しているとのことでした。

都市成長管理境界の改訂をめぐるトラブルは、土地の利用方法、価値に重大な影響を与えるので、紛争も深刻です。
インターン生として、ベナー弁護士の口頭弁論用の資料作成のためのリサーチを行いましたが、あまり役に立たなかったと思います。

ともかくも、民主主義は大変だ、ということを強く認識しました。
徹底した情報公開、参加手続きを経た計画でも、不服申立手続、訴訟と、論争は果てしなく続く感じです。
徒労感は無いのかという私の質問に対し、ベナー弁護士は、チャーチルの言葉を引用して、民主主義は他より良い、ということを力強く答えてくれました。

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